コンサルティングファームでは、受注した案件の一つ一つをプロジェクトと呼んでいます。プロジェクトごとにチームを結成し、マネージャー、コンサルタント、アナリストがそれぞれの役割を担います。ではプロジェクトの進行は具体的にご説明しましょう。プロジェクトが始まると、まずは論点を明確化する作業に徹します。この席上にはクライアントの代表者も参加することになります。ファーム側からはパートナーとマネージャーが参加し、クライアントの要望を聴き取った上で提案書を作成します。その提案書を受け入れてもらえれば、次に情報収集法、分析法を提示し、クライアントの了承を取り付けます。最終的にクライアントが全ての工程を肯定すれば、いよいよコンサルタントの実務が始まるのです。実務が始まると、マネージャーが方針をより具体化します。クライアントに提出した提案書はあくまでも要諦に過ぎませんから、それに基づいて細かく設計するのです。その際、工程の順番、情報収集法を、コンサルタントが間違えないように指示します。この段階で、マネージャーの頭には作品の完成形がありますが、その通りに事が進むとは限りません。設計が一段落つけば、工程のそれぞれをコンサルタントに割り振ります。コンサルタントと補助役であるアナリストの人数はプロジェクトによって異なりますが、あまり大人数で処理することはありません。マネージャーはコンサルタントの力量も踏まえた上で、適材適所を心掛けます。経験の浅いコンサルタントに対しては、より具体的に指示を出すこともあります。逆にベテランのコンサルタントに対しては、なるべく当該コンサルタントの自由を尊重するのが一般的です。