市場のグローバル化が進む中で、コンサルタント側も海外戦略に打ち勝つノウハウが求められる事もあります。そのような中で、ダイバーシティ的な組織への転換は、近年の組織体制としては、常識とも言えるような価値が置かれているようです。ダイバーシティと言うと、都内の埋め立て地の有名なショッピングモールの事を示しているのかと思われる人々もいるかもしれませんが、ここで言う「ダイバーシティ」とは、企業内でも多種多様な人材の活用、例えば、諸外国の外国人の雇用、女性社員の活躍の場の拡張や、経験豊富なシルバー人材の活用、ベンチャー起業を試みる学生らの経営参加など、様々な人材を活用する事で、生産性を高めて行く組織体制を表わしています。ダイバーシティ的な組織体制である事の、本来の意味合いとしては、異なる価値観や知識を持ち合わせる人々との交流にあるのかもしれません。閉ざされた1つの組織体制の中では、ある意味、無意味な派閥論争が生まれたり、権力のある人物の一声で、企業内の取り決めや方針が影響を受け易いとも考えられています。そのような閉鎖的な組織体制に、一石を投じる取り組みとして、外部や異業種の異なる概念や価値観をもった人々の流れを、あえて組織内に取り込むといった取り組みの中で、従来の凝り固まった組織体制を打破して行こうというような効果を生み出す事にも繋がるのではないでしょうか。ダイバーシティ的な、組織体制とは、人種、性別、年齢、学歴などの相違的な異なりをもった人々の雇用や業務的な関わりを表わす用語として用いる人々も多いようですが、人種、性別、年齢、学歴などを、さらに飛び越えた上での、価値感の異なる人々の企業内の交流として捉えていく事で、組織的な発展において、さらなる飛躍を目指していけるのではないでしょうか。誰しも、慣れ親しんだ職場環境や、概念から外れた行動や考えをもつ事を、間違いであると思いがちではありますが、立場や視点が異なる事で、ルールや規則は、如何様にでも成り得るといったような柔軟なアイデンティティを築いていける事が、今後の組織人として求められているような気がしてなりません。